CB400SFは2007年12月のモデルから、燃料供給方式がインジェクション(電子制御燃料噴射システム:PGM-FI)に変更されました。
同時に、「HYPER VTEC SPECIII」も「HYPER VTEC Revo(レボ)」として一新。状況に応じた細かなバルブ制御が可能になりました。
モデルチェンジの詳細と、最終モデルまでの歴史について解説しました。
インジェクション(PGM-FI)とは?
まずはCB400SFに新たに搭載されたインジェクション(PGM-FI)について。
インジェクション(FI)は、コンピュータにより燃料の供給が制御されるシステムです。具体的には、ギアのポジション、エンジンの回転数、スロットルの開度などを各部センサーが検知して、そのデータを元にECU(コンピュータ)が演算を行い、最適な燃料が決定・噴射されます。
安定した始動性、燃費の向上、スムーズな乗り味や軽快なスロットルレスポンスなどが特長です。
HYPER VTEC Revoとは?
従来の「HYPER VTEC SPEC III」では、ギアのポジションやエンジン回転数から、バルブの動作タイミングを決定していました。
「HYPER VTEC Revo」では、更にスロットル開度からの検知・演算が可能となったため、より細かなバルブ制御が行われるようになりました。スロットル開度が小さい巡航時には2バルブ、スロットル開度が大きい加速時には4バルブといった、高度なバルブの切り替えが行われています。
CB400SFの歴史【NC42】
2007年12月 モデルチェンジ


従来のCB400SFからの変更点は以下のとおりです。
- PGM-FIの採用
- 排ガス規制対応(平成19年)
- HYPER VTEC Revo搭載
- エンジンカバー変更(右側)
- ステンレスマフラーの採用
この時のモデルチェンジと同時に、新たにCombined ABS(コンバインドABS)モデルが追加されました。フロントブレーキとリアブレーキが連動するため、より安全性の高いモデルとなっています。


限定カラーが登場
その後、しばらくの間、新型CB400SFの仕様変更は行われません。そのかわり、何種類か限定車(限定カラー)が発売されました。




やっぱり赤フレームは特別感がある!!
その後も仕様変更はなく、カラー変更のみとなります。




2012年CBXカラーは、「PROJECT BIG-1」の20周年記念モデルとなっています。



「PROJECT BIG-1」についてはホンダ公式サイトが詳しい!



BIG-1の開発コンセプトは3つ!
- 水冷・4サイクル・DOHC・直列4気筒エンジンを搭載していること
- その躯体はあくまでもセクシー&ワイルドであること
- 走る者の心を魅了する感動性能を有すること
2014年3月 仕様変更
エンジンなど主要スペックの変更はありませんが、外観が大きく変更されました。




- ハンドル幅の変更(10mm拡大)
- ハンドル位置の変更(手前10mm、上方7mm移動)
- ホイールデザインの変更(10本スポーク)
- テールカウルの形状変更
- サイドカバーの形状変更
- テールレンズの色変更(赤→クリア)
- シートレールの強化(純正リアキャリア対応)
- 新型メーター
サイドカバーからテールカウルにかけてのデザインが変更され、グラブバーの位置も後ろ1本から両側2本に変更されましった。



ホイールデザインもお洒落でスタイリッシュになりました!



カッコいい!!
限定カラーが登場






2017年10月 仕様変更




2017年10月の仕様変更です。
- 型式変更【2BL-NC42】
- 排ガス規制に対応(平成28年度)
- 最高出力の向上(56psにアップ)
- 前後サスペンションの改良
- マフラー変更
- ABS全車種標準装備
- 「PROJECT BIG-1」25周年記念マーク
- LEDヘッドライトの採用
- 新形ヘルメットホルダー
- エアバルブの形状変更(L字型)
大きな変更点としては、スロットルボディと排気系の改良により最高出力が56psにアップしたこと、マフラーの内部構造を変更することにより伸びのある排気音となったことなどが挙げられます。




2020年1月 最終モデル




期間限定で受注生産された特別仕様車です。シルバーメタリックをベースにしたお洒落なツートン、エンジンのヘッドカバーとホイールは渋めのブラウンゴールドでした。CB400SFのスポーティーなイメージを払拭するような、クールでスタイリッシュな仕上がりで、大人の雰囲気を醸し出しています。
車両発売後に生産終了が発表されたため、事実上の最終モデルとなりました。約30年に及ぶ、長い長いCB400SFのストーリーは、ここで幕を閉じます。



なんか寂しい・・



歴史に名を刻む名車だもんね
CB400SFの定番カスタム【NC42】



カスタムについては以下の記事で紹介しています!


CB400SFの主要スペック【NC42】
ホンダが誇る「水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブエンジン」に「HYPER VTEC Revo」を搭載。最高出力は53ps/10500rpm。CB400SFシリーズ、初のインジェクションモデルとなりました。
以下は、2007年12月に登場した初代「HYPER VTEC Revo」のスペックです。年式・仕様により若干数値は異なります。
CB400SF「HYPER VTEC Revo」 | |
発売日 | 2007年12月 |
発売当時価格 | 685,000円 |
型式 | EBL-NC42 |
原動機型式 | NC42E |
エンジン | 水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ |
総排気量(内径×行程) | 399cc(55mm×42mm) |
最高出力 | 53ps/11000rpm |
最大トルク | 3.9kg-m/9500rpm |
変速機 | 6速リターン |
全長×全幅×全高 | 2040×725×1070mm |
シート高 | 755mm |
ホイールベース | 1410mm |
車両重量(乾燥) | 194kg |
燃料タンク容量 | 18L |
タイヤサイズ | フロント:120/60-17 リア:160/60-17 |