中古を含めると、かなりの種類があるバイク用ETC車載器。何がどう違うのか、何を基準に選んだらよいのか迷っている方も多いと思います。
この記事では、ETCの大分類である「アンテナ分離型と一体型」、2大メーカー「日本無線とミツバ」を中心に、その違いを解説しました。新セキュリティ規格やETC2.0についても触れています。
ETC選びの参考にどうぞ!
アンテナ分離型と一体型
バイク用ETC車載器には、アンテナ分離型と一体型の2種類があります。それぞれの特長やメリット・デメリットを解説しました。
アンテナ分離型
アンテナ分離型は、本体からアンテナが独立しているタイプです。
真四角の小さい箱がアンテナ!
日本無線、ミツバともに、現行品はすべてアンテナ分離型で、主流の方式です。
ETC本体はシート下に、アンテナ・インジケータ類はハンドル周りに取り付けるのが一般的。アンテナの向きや角度が調整しやすく、ハンドル周りがすっきりするという利点がありますが、反面、カードの抜き差しのたびに、シートを外さなければならないという手間が生じます。
なのでカード挿しっぱなしの人も多いはず!
アンテナ分離型の中には、さらにインジケータ(LED)だけが独立しているものもあります。(動作確認のための)必要最低限のインジケータだけをハンドルに取り付け、アンテナ本体はビキニカウルやバイザーの中に目立たないように配置したりします。
インジケータ独立式だと配線が多くなる!
アンテナ一体型
アンテナ一体型は、本体にアンテナ機能を内蔵するタイプで、日本無線ではJRM-12、ミツバサンコーワでは初代のMSC-BE21が該当します。いずれも2010年頃の製品で、ETCの先駆けです。
ハンドル周りにETC本体を取り付ける外付けタイプなので、そもそものデザインがカッコいい、カードの出し入れがしやすい、配線がシンプルで設置が簡単などの特長があります。反面、カードの盗難の恐れがある(抜き忘れ)、オートバイの美観を損なうなどのデメリットがあります。
JRM-12(アンテナ一体型)は、いまだに大人気のモデル!
タテ開きが斬新でカッコいい!
カッコいい!
日本無線とミツバ
ETCのもうひとつの大分類として、製造メーカーの違いがあります。日本無線とミツバサンコーワ、それぞれの製品の特長です。
日本無線の特長
日本無線のETCは、フタがぱかっと大きく開く2つ折りの形状が特長です。カードの出し入れがしやすく、人気があります。
ふたを上に開けるスペースが必要なため、シートのやや後方(リアフェンダー上)に水平に配置する人が多いです。
ミツバサンコーワの特長
もう一方のミツバサンコーワは、本体端の小さなフタを開けてカードを入れる方式です。水平配置はもちろん、物入れのカベ部分にタテに貼り付けて使用する人もいます。
場所をとらない省スペースタイプ!
物入れのスペースや、カードの取り出しやすさなど・・
自分の使い勝手に合ったメーカーを選ぼう!
新・旧セキュリティ規格
もうひとつ、バイク用ETCを分類するとすれば・・
新・旧のセキュリティ規格でも分類されます。
ETCは、決済情報を安全に保護するため、セキュリティ規格の変更が予定されています。この新セキュリティ規格に対応した製品は、日本無線ではJRM-21、ミツバサンコーワではMSC-BE700シリーズ・MSC-BE61シリーズとなります。
上記以外のモデルは旧セキュリティ規格となり、最長で2030年頃まで利用できるとされています。
セキュリティに問題があった場合は・・
2030年を待たずに使えなくなるといわれています・・
ETC1.0とETC2.0
最後にもうひとつ、バイク用車載器の分類として、ETC1.0/ETC2.0があります。
ETC2.0は2016年から始まったサービスで、従来のETCよりも、高速・大容量の通信ができるようになりました。バイク用ETCでは、日本無線のJRM-21、ミツバサンコーワのMSC-BE700Sの2機種がETC2.0に対応しています。
ETC2.0のサービスの特長は以下のとおり!
- 高速道路の割引(圏央道、東海環状自動車道で2割引)
- 渋滞情報のエリアの拡大(約1000kmの広範囲)
- 安全運転支援(落下物や事故情報の提供)
- 災害情報の提供(地震など)
- 高速道路の再入場が可能(料金据え置き)
一時的な退出・再入場ができるのは便利!
道の駅でお土産買える!
今のところ、ETC2.0の普及率はそれほど高くないようです。
割引率が高い道路が限定されていること、車載器以外にもETC2.0対応のスマホ・カーナビが必要なこと、渋滞情報や災害情報の取得がスマホでも代用できること、などが理由とされています。
【おまけ】新スプリアス規格とは?
ETCの分類とは関係ありませんが、よく出てくる単語として「スプリアス規格」というものがあります。
「スプリアス」とは、無線機器が必要とする周波数「外」で発射される電波を指します。この不要な電波は、他機器の通信障害などの原因となるため、電波法により、その強度が規定されています。これが「スプリアス規格」です。
無線機器が出す電波の強度、許容範囲を定めたルールのこと!
スプリアス規格は2005年12月から新規格となり、許容値が変更されました。旧規格の製品は将来的に使用できなくなりますが、日本無線とミツバサンコーワのETCは全機種、この「新スプリアス規格」に対応しています。
以上、バイク用ETCの選び方、分類基準を紹介しました!
結論
以上、まとめると以下のとおりです。
- バイク用ETCは、アンテナ分離型が主流
- 日本無線とミツバはカードの挿入方法が違う
- 新セキュリティ規格は、しばらく先の話
- ETC2.0は、まだそれほど普及していない
ETC選びの参考にしてください!
珍しく、きれいに終わった・・
いつも、とっ散らかってるのに・・