「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」は、「横田正弘」館長率いる私設のミュージアムだ。1994年に「おもちゃと人形博物館」としてスタートした同館は、その後増築を重ね、現在は「昭和レトロパーク」「テディベア博物館」「自動車博物館」「ミニミュージアム」「昭和スターロマン館」など、おもちゃ全般を網羅する巨大施設となっており、「老若男女」誰もが楽しめる博物館となっている。
「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」とは
「横田正弘」館長は、もともと工務店を経営していたが、バブル崩壊と同時に、博物館経営に転向した異色の人物だ。各地の私設ミュージアムを見て回り、その私設や展示の貧弱さを嘆き、「自分ならばもっと楽しい博物館が作れる」と一念発起して作ったのが、この「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」なのである。
横田館長は、自らハンドルを握ってレースやラリーに参戦し、いくたびも表彰台に上がるほどの腕前。クルマへのこだわりは人一倍で、その執念ともいえる情熱は、「自動車博物館」に見事に結実している。
勢ぞろいした「昭和の名車・珍車」は、どれもが新車同様の仕上がりで、外側の塗装はもちろん、シートやホイール、計器類などの細部にこだわって作り込んでいるという。愛情たっぷりに仕上げられたクルマは、一台一台輝きを放ち、惜しげもなくずらっと並ぶレーシングカーなどはその迫力に圧倒されてしまう。
「イニシャルD」コーナー
群馬県を舞台にした大ヒット作品「イニシャルD」のコーナーも設けられており、藤原豆腐店、ハチロク、作者「しげの秀一」氏のFDなどが展示されている。売店ではイニシャルDのお菓子やグッズを購入でき、駐車場では藤原豆腐店前で撮影できるなどファンサービスも充実している。クルマ好きなら絶対に訪れたい博物館だ。
来訪記
自動車博物館は本当にすごい。「イニシャルD」目当てで訪れたが、実際に圧巻だったのは1970年代のファミリーカー(2階)、スポーツカー(3階)だった。時代を感じさせないほど、どのクルマも美しく、ツルツルでピカピカ。冗談抜きで、他に用事がなければ一日見とれていたいくらいだった。クルマ好きの父親を連れて来たら、どんなに喜ぶだろう。
自分がクルマ好きなので、最初の説明文からクルマのことばかり書いてしまったけれど、実際の展示物は多岐にわたる。昭和の歌手やアイドルのブロマイド、ポスター、レコードジャケット、猪木や馬場のプロレスコーナー、三丁目の夕日の映画セットや、なぜかミリタリーの戦車まで、それこそ「盛りだくさん」だ。
どこからどうやって集めて来たのか、その熱意に驚き、圧倒されると共に、横田館長のファンになってしまう。
伊香保おもちゃと人形自動車博物館の基本情報
- 住所 群馬県北群馬郡吉岡町上野田2145
- 電話 0279-55-5020
- URL http://www.ikaho-omocha.jp/index.html
参考資料
- 伊香保おもちゃと人形自動車博物館「館内資料」
『日経流通新聞』(2004年3月6日号) - 伊香保おもちゃと人形自動車博物館 公式ホームページ
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