400cc・4気筒の代名詞ともいえる「ホンダ CB400SF(スーパーフォア)」。1992年の発売から2020年のファイナルまで、約30年に及ぶロングセラーとなりました。
その長い歴史の中、CB400SFは大きく3分類されますが、まずは創生期のモデルとして、1992~1998年【型式NC31】を追いました。大人気のVersion Sについて詳しく解説します。
CB400SFの歴史【NC31】
とにかく扱いやすいマシンを目指し、CB400SFは、たびたび大きな仕様変更が行われています。1995年、高性能なスポーツモデルとして登場したVersion Rは、そのレスポンスの良さが評判となり、そのままVersion Sとしてスタンダードモデルに定着。その歴史をたどりました。
1992年4月 発売
発売当時のカラーは5種類。単色で赤・黄・黒の3種類、ツートンで2種類という豪華なラインアップでした。
エンジンは水冷4スト4気筒DOHC2バルブ、総排気量は399cc。当時大人気だった「空冷ゼファー」に対抗するかのように、性能重視の水冷エンジンが選択されました。力強く美しいスタイルと、街乗り重視の乗りやすいセッティング。CB400SFは、あっという間に大人気の車両となりました。
1994年3月 仕様変更
発売から2年後の1994年、早くも仕様変更が行われています。
- 新型ピストンの採用
- 燃焼室形状の変更
- 点火時期の変更
- サイレンサーの変更
エンジンの燃焼過程が見直しされ、新型ピストンの採用、燃焼室形状の変更、点火時期の調整が行われています。マフラーはサイレンサー内部の構造が変更されており、パイプを大径化することでレスポンスを向上させています。低・中回転域での出力向上や、加速感の大幅な向上を狙った仕様変更でした。
- メーターの変更
- トップブリッジの変更
- ハザードランプの追加
- エンブレムの変更
メーターは燃料計を装備した三連メーターになり、LED照明の採用、インジケーター部のレイアウト変更などが行われています。その他、新型トップブリッジの採用(ハンドルポスト別体型)、ハザードランプの追加、サイドカバーのエンブレム変更(メッキ立体エンブレム)などが行われています。
1995年3月 Version Rが登場
1995年には、スポーツパッケージの Version Rが登場します。点火系・吸排気系の大幅な改良が行われています。
- PGM-IGを搭載
- 吸排気系の変更
- マフラーの形状変更
- フレームの強化
- ステップの形状変更
- ビキニカウル装着
点火系では、エンジン回転数・スロットル開度により点火時期を最適に制御するPGM-IG(電子制御点火システム)を採用。吸排気系では、バルブタイミング、ファンネル形状、キャブセッティング、マフラー形状の変更が行われ、パワーバンドの拡充とアクセルレスポンスの向上が図られています。
スポーツマフラー(別体式アルミサイレンサー)、ステッププレート(肉抜き軽量化)、ビキニカウルが採用され、よりスポーティな外観になっています。
1996年3月 Version Sが登場
「Version R」のスポーティな仕様はそのままに、ビキニカウルを取払ったモデルが「Version S」として販売されました。ディスクローター、キャリパー(対抗式4ポッド)、リアショックの変更が行われ、よりゴージャスな仕様となっています。
1996年~1997年にかけて、従来のCB400SF、Version R、Version Sの3種類が存在したことになります。
1996年12月 仕様変更
従来のCB400SF、Version Sともに仕様変更が行われています。シート周りの形状が変更され、足つきやフィット感が向上しました。
- シートカウルの変更
- シート形状の変更
- シート表皮の変更
- サイドカバーの同色化
Version Sは、フロントの足回りが強化され、プリロード調整の追加、キャリパーの変更(ブレンボ製)が行われています。
Version Sの人気に押され、従来のCB400SFは、このモデルで生産終了となりました。
1998年7月 特別限定車が登場
1998年には、ホンダ創業50周年を記念して、特別限定車が発売されました。
外観がゴージャスな仕上がりになっています(スペック変更なし)。
- 「白×赤」のスペシャルカラー
- ゴールドのホイール
- カーボン柄のシートサイド
- 赤スプリングのリアショック
- 50周年記念エンブレム
正式名称 → CB400 SUPER FOUR Version S 50th Anniversary Special
この特別限定車を最後に、第1期のCB400SFの幕が閉じます。
NC31の定番カスタムは以下の記事で解説しています!
CB400SFの主要スペック【NC31】
ホンダが誇る「水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブエンジン」を搭載。最高出力は53ps/12000rpm。乗りやすさ・扱いやすさは折り紙つきです。
以下は、1996年3月に登場した「初代Version S」のスペックです。年式・仕様により若干数値は異なります。
CB400SF「Version S」 | |
発売日 | 1996年3月 |
発売当時価格 | 599,000円 |
型式 | NC31 |
原動機型式 | NC23E |
エンジン | 水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ |
総排気量(内径×行程) | 399cc(55mm×42mm) |
最高出力 | 53ps/12000rpm |
最大トルク | 3.7kg-m/10000rpm |
変速機 | 6速リターン |
全長×全幅×全高 | 2080×720×1080mm |
シート高 | 775mm |
ホイールベース | 1450mm |
車両重量(乾燥) | 194kg |
燃料タンク容量 | 18L |
タイヤサイズ | フロント:110/70-17 リア:140/70-17 |
この後、遂にVTECが登場!
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