ADV150は2020年2月に発売された、新しいスクーターです。2023年には排気量が156ccとなり、ADV160となりました。現行モデルとして大人気の車両です。
前半はADVの特長や歴史、後半はADVに搭載されている「eSPエンジン」について少し解説しました。
ADV150の特長【2BK-KF38】
昨日は大きいX-ADVの話でしたが・・
今日は小さいADVのお話です。
アドベンチャーテイスト
ADV150は2020年2月に国内販売が開始されました。兄貴分であるX-ADVのスタイルをそのまま受け継いだようなデザインが特長です。迫力のあるフロントマスク、極太バーハンドル、かち上げマフラーなど、ワイルドなアドベンチャーテイストになっています。
すごいそっくり!
同じパーツなんかひとつも無いのに、最終的に同じ雰囲気に仕上がるのが面白いよね!
パワーユニット
- 「eSP」エンジン搭載
- アイドリングストップ
「eSP」エンジンについては、後述しています。
低中速重視の車体設計
荒れた路面での走行を想定しているため、低中速域での扱いやすさを重視したエンジン、剛性の高いダブルクレードルフレーム、ストローク量の大きいサスペンション(フロント130mm/リア120mm)、専用開発されたブロックタイヤなどが搭載されています。前後ディスクブレーキ+フロントABSで、制動時の安定性が向上しています。
ユーザビリティ
使い勝手を向上するための機能が満載です。
- 多機能大型デジタルメーター
- スマートキー
- 大容量ラゲッジボックス(27L)
- フロントトランク
- スマホ充電ソケット
- エマージェンシーストップシグナル
エマージェンシーストップシグナルとは?
急ブレーキをかけるとハザードが高速点滅する機能。後続車の注意を喚起します。
ADV160の特長【8BK-KF54】
排気量が156ccに拡大
2023年1月には、ADV160としてモデルチェンジします。排気量は149cc→156ccに変更されています。
全体的に落ち着いた雰囲気になってる
変更点は以下のとおりです。
- 新エンジン「eSP+」搭載
- トラクションコントロール(HSTC)
- 新形状フレーム(アンダーボーン)
- 新デザイン
トラクションコントロールは、後輪のスリップをセンサーが感知した際、自動的に燃料を制御して出力を抑えるもので、安全性の高い技術です。「eSP+」エンジンについては後述しています。
ユーザビリティ
従来の機能はそのままに、以下が変更されています。
- 足つき性の向上(795→780mm)
- ウインドスクリーンの大型化(2段階調整可能)
- 新型メーター(大型液晶)
「eSP」「eSP+」エンジンの話
概要
ADV150/160には、「eSP(enhanced Smart Power)」「eSP+」というエンジンが搭載されています。高性能・軽量・コンパクトな小型スクーター用のエンジンで、走行性能を向上させつつ、燃費性能や環境性能も向上させています。
これ実はモノスゴイ技術!!
どうスゴイの?!
なぜなら普通、「走行性能を向上させる → パワーやスピードが上がる → ガソリンの消費が激しくなる → 燃費性能・環境性能は下がる」という図式になるからです。
確かに。どちらかが上がれば、どちらかが下がりますね
そこで考えられたのが、エネルギーの利用効率を高める方法です。できるだけムダを削減し、できるだけ少ない量のガソリンから、できるだけ効率的にエネルギーを取り出そうと、ありとあらゆる施策が行われているのです。
主要な施策
主要な施策として、以下に2つ挙げておきます。
- PGM-FI・アイドリングストップ
- フリクションロスの低減
PGM-FI(電子制御燃料噴射装置)やアイドリングストップはわかりやすいです。車両の走行状況に応じて、ダイレクトに燃料を制御するため、ムダがありません。
「フリクションロスの低減」という言葉は、バイク用語としてよく出てきますが、意味としては「摩擦や抵抗を軽減すること」。エンジン内のそれぞれのパーツが、ストレスなく動作するように、位置・形状・重量・素材などが研究開発されています。バルブ、ロッカーアーム、シリンダ、ピストン、クランク、ミッション、プーリー、ベルトなど、ありとあらゆる箇所で、抵抗を少なくするための工夫がなされているのです。
結果、燃焼効率の向上や、燃費性能の向上につながっています。
ホンダ公式サイトが詳しい
興味のある方は、ぜひホンダ公式サイトの記事を読んでみてください。かなり専門的な内容ですが、エンジンの端から端まで、研究・開発・改良されていて、本当にびっくりします。スクーターのエンジンひとつに、最先端技術がぎっしりと詰め込まれているのです。
そんなスゴイんだ・・
いやマジでスゴイから!!
ADV160の主要スペック【8BK-KF54】
現行モデルのADV160の主要スペックを記載しました。
ADV160は、水冷 4ストローク OHC4バルブ 単気筒、総排気量156cc、最高出力16ps/8500rpmのエンジンを搭載しています。タイヤサイズはフロント14インチ、リア13インチです。
タイプグレード名 | ADV160 |
発売日 | 2023年1月 |
発売当時価格(税別) | 473,000円 |
型式 | 8BK-KF54 |
原動機型式 | KF54E |
エンジン | 水冷 4ストローク OHC4バルブ 単気筒 |
総排気量(内径×行程) | 156cm3(60.0×55.5mm) |
最高出力 | 16ps/8500rpm |
最大トルク | 1.5kgf-m/6500rpm |
燃料供給方式 | 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)> |
点火装置形式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 |
全長×全幅×全高 | 1,950×760×1,195 |
シート高 | 780mm |
ホイールベース | 1,325mm |
車両重量(乾燥) | 136kg |
燃料タンク容量 | 8.1L |
燃料消費率 | 52.0km/L |
タイヤサイズ(フロント、リア) | 110/80-14、130/70-13 |
制動装置形式(前/後) | 油圧式シングルディスク(ABS)/油圧式シングルディスク |
サスペンション | テレスコピック/ユニットスイング |
フレーム形式 | アンダーボーン |
※年式や仕様により、数値が変わります。