ホンダ ズーマー【1】ワイルドで個性的なスタイルが大人気。その歴史を振返る。

ズーマー(ZOOMER)は2001年6月の発売から2017年8月の生産終了まで、およそ16年間にわたって販売された原付1種(50cc)のスクーターです。個性的なスタイルをもつズーマーは、今でも人気が衰えることなく、中古車市場で高値で取引されています。

この記事では、ズーマーの人気の理由、歴史、主要スペック、中古車相場などの基本的な情報を詳しく解説しました。

中古車を選ぶ際の参考にしてください。

目次

ズーマーの人気の理由

ズーマーの人気の理由は2つあります。

ワイルドなスタイル

まずはその外観です。

ズーマーは、むき出しのスチールパイプ、デュアルヘッドライトに極太タイヤという衝撃的なスタイルで登場しました。メットインを取り払うことで、それまでのスクーターの常識を覆す、革新的なデザインとなりました。

お洒落でクール、ラフでワイルド。後にも先にもズーマーのような車両は登場せず、その唯一無二のスタイルで、今でも人気が衰えることはありません。

カスタムパーツが豊富

豊富なカスタムパーツも、ズーマーの人気を後押ししました。

モノ入れやキャリアなどの積載系、シートやステップ、ハンドル周りなどの外観系。ズーマーには、ありとあらゆるカスタムパーツ・ドレスアップパーツが用意されました。

いじって遊べる楽しい1台。整備・メンテナンス性の良さも相まって、「自分のズーマー」を目指すユーザーが続出しました。

ズーマーの定番カスタムについては、別記事で紹介しています。

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ズーマーの歴史

2001年6月に登場

ズーマーは鮮やかなオレンジのボディで登場しました。盗難防止のシャッターキー、シート下の秘密のU字ロック格納スペース、オプションのイモビアラームなど、高度なセキュリティ機能を備えました。

2003年には衝撃的なカーキ色(カムフラージュグリーン)が登場。スクーターにミリタリーな要素を持ち込んだのも、このズーマーが初めてだったと思います。

このオレンジとカーキは、最後まで「ズーマーのイメージカラー」として人気がありました。

キーの形状変更

マニアネタですが、2003年12月には、キーの形状が変更されています。

単独だったシャッターキーが、メインキーと一体化されました。最初期のモデルはアタマだけのキーだったんですね。

2007年のモデルチェンジ

16年間にわたる長い歴史の中で、ズーマーは1度だけ大きなモデルチェンジをしています。

2007年10月、排ガス規制に伴い、燃料装置がキャブレターからインジェクション(FI)へと変更になりました。

燃料の噴射がコンピュータ制御となることで、始動性の向上やスムーズな走行を実現。触媒装置(キャタライザー)がマフラー内に装備され、排ガスのクリーン化も行われました。点火方式もCDIからフルトランジスタへと変更されています。

公式的には「マイナーチェンジ」とされますが、型式(BA-AF58→JBH-AF58)や原動機型式(AF55E→AF69E)が変更されるという、大幅なモデルチェンジとなりました。

このモデルチェンジを境に、ズーマーは前期か後期か、キャブ車かFI車かに分類されます。中古車購入の際には、おさえておきたいポイントです。

キャブ車とFI車の違いや見分け方については、別記事で詳しく解説しています。

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2017年8月に生産終了

ズーマーは2017年8月に生産終了となっています。同年9月から実施の排ガス規制「EURO4」をクリアせず、惜しまれつつも引退となりました。

写真は2012年モデル(最終モデル)のオレンジ。オレンジに始まり、オレンジに終わったズーマーでした。

ズーマーのカラーバリエーション

16年という長い歴史をもつズーマーには、多様なカラーバリエーションが存在します。

通常モデル

ズーマーのカラーチェンジはたびたび行われていますが、オレンジやカーキは「ズーマーのイメージカラー」としてずっと人気があります。

個人的なイチ推しは2008年から登場したベージュ。アクティブでアウトドアなズーマーには、本当にアースカラーが似合うと思います。

限定モデル

期間限定の受注生産として、スペシャルバージョン、限定カラーのズーマーも数多く販売されました。代表的なカラーを以下に記載しましたが、どれもこれも、ほぼ見かけることのない稀少カラーです。

2011年には10周年記念車として白×赤のツートンが販売されています。

自分好みのカラーが選べるのも中古車の魅力。気に入ったカラーを探してみるのも面白いかと思います。

ズーマーの主要スペック

前述のとおり、ズーマーは2007年のモデルチェンジを境に、前期か後期か、キャブ車かFI車かで分類されます。

特にキャブ車へのこだわりがない限り、インジェクション(FI)の車両をお勧めします。始動性が良いのはもちろん、コンピュータにより最適な燃料制御が行われるため、安定したスムーズな走行が可能です。

 ズーマーズーマーFI
発売日2001年6月2007年10月
型式BA-AF58JBH-AF58
原動機型式AF55EAF69E
エンジン水冷4スト単気筒OHC2バルブ
総排気量49cc
燃料供給方式キャブレターフューエルインジェクション(FI)
最高出力3.6kW(4.9ps)/8000rpm3.1kW(4.2ps)/8500rpm
最大トルク4.5N・m/7000rpm4N・m/5500rpm
燃料タンク容量5L4.8L
燃料消費率75.0km/L
全長×全幅×全高1860mm×735mm×1025mm
シート高735mm
タイヤサイズフロント:120/90-10 リア:130/90-10

キャブ車とFI車の違いや見分け方については、別記事で詳しく解説しています。

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ズーマーの中古車相場

2024年6月現在の、ズーマーの中古車相場(乗り出し総額)は、だいたい以下のとおりです。

  • キャブ車:18万円~20万円
  • FI(インジェクション)車:25万円~30万円

主要な中古車検索サイト(BDSバイクセンサー、バイク王、BikeBros、goobike)をざっと見たところの相場です。その人気ぶりを表すかのように、高値で取引されています。カスタムパーツの有無(マフラーなど)、走行距離、車両の状態で大きく価格は変わります。参考にしてください。

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この記事を書いた人

バイク業界歴20年。三級二輪整備士。オークション会場でオートバイを見て歩くのが大好き。欲しいバイク第1位はモンキー125。ふかふかチェック柄のシートで旅に出る日を夢見ている。生業は中古パーツの販売。シート、マフラー、ドラレコが好き。実は仕入れに必死。

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