マグナは250ccの本格的なアメリカンモデルとして、1994年に登場しました。
2本出しの極太ショットガンマフラー、ロー&ロングのボディ、メッキパーツ、ディッシュホイール、ぎっちり詰まったエンジンの質感・重量感など、そのカッコよさであっという間に大人気の車両となりました。
2007年9月の排ガス規制で、すでに生産終了となっていますが、今でもその人気は衰えず、むしろ価格は上昇傾向です。
1994年の登場から2006年の最終モデルまで、「名車マグナ」の歴史を振返りました。
マグナ250の特長
本格的なアメリカンモデル
ロー&ロングのボディ、ワイドでフラットなガソリンタンク、各部に採用されたメッキパーツ、リアのディッシュホイール、2本出しの極太マフラーなど、本格的なアメリカン仕様となっています。
フレームにぎっちり詰まったエンジンは重量感があり、全体的に250ccとは思えない迫力と存在感があります。
VT系エンジンを搭載
マグナ250には、VT250系のエンジン(MC15E)が搭載されています。もともと40馬力を超えるような、高回転スポーツエンジンですが、中低速の強い、トルクフルなアメリカン仕様にチューニングされています。ゆっくりのんびり、50~60kmでドコドコ走るエンジンです。
マグナ250の歴史
マグナ250の大きな仕様変更・デザイン変更を書きました。細かなカラーチェンジなどは省略しています。
1994年6月 発売
シルバーとブラックの2色が発売されました。マグナ250といえば、やはり「シルバー」のイメージが強いです。
1996年6月 マグナ250S
前後ディッシュホイールのマグナ250Sが発売。
メッキパーツを幅広く使用し、よりゴージャスな仕上がりになっていました。
標準モデルとの違いは以下のとおりです。
- リアショック(フルメッキカバー)
- メッキスイッチ
- メッキペダル
- メッキホーン
1997年1月 仕様変更
若干の仕様変更です。細かな機能が追加されています。
- ハザードランプ装備
- フロントブレーキアジャストレバー
- 荷掛けフック
1999年3月 仕様変更
マグナ250は1999年3月に、大きめの仕様変更が行われています。
新しい排ガス規制・騒音規制への対応と、ライディングポジションの変更、デザインの変更が行われました。
- 新・排ガス規制に対応(エアインジェクションシステム)
- 新・騒音規制に対応(マフラー新設計)
- ステップ位置の変更(40mm前方へ移動)
- シート形状の変更(スリムで硬め)
- エンジン色の変更(ブラック塗装)
- マグナロゴの変更
シート形状をスリムにし、ステップを40mm前方へ移動することで、よりゆったりとしたライディングポジションとなっています。ステップはツートン(しましま)のアルミ製に、シートはステッチが入り、(シングルシートのような)カチッとしたデザインになりました。車両全体が引き締まり、より完成度の高い仕上がりになっています。
その他、エンジンがブラック塗装に、タンクのエンブレムが勢いのあるデザインに変更されています。
この1999年の仕様変更を境に、マグナ250は前期・後期に分類されます。
2004年11月 フェニックスモデル
2004年には、セキュリティ機能を強化した仕様変更が行われました。
- 強化ハンドルロック機構
- 強化キーシリンダー
- 直結始動防止回路の採用(イグニション配線)
- イモビアラームキット(オプション)
ガソリンタンクのデザインが大きく変わり、ものすごくカッコ良くなっています。
サイドに立体エンブレム、タンク上面(全面)には大きなフェニックス模様が描かれています。
SPIRIT OF THE PHOENIXとは?
「SPIRIT OF THE PHOENIX」は、「ライダーと意志が通じ合うバイク造り(の精神)」のことで、ホンダが目指すカスタムマシンの方向性を表しています。マグナやスティードなど、カスタムアメリカンに込められた「想い」ですね。
基本方針として、以下のような例が掲げられています。
- 迫力と存在感のある高品位なエンジン
- ロー&ロングのプロポーション
- ゆったりしたライディングポジション
不死鳥というキーワードには「伝統と進化」「自由なスタイルへの昇華」の意が込められているそうです。
【参考】ホンダ プレスインフォメーション(V-TWIN MAGNA)
2006年11月 最終モデル
マグナ250の最終モデルです。外装、エンジン、フレーム、すべてがブラックで統一されています。
実車はギンギンに黒光りして、ものすごくカッコイイです。
2007年の生産終了まで、わずか1年のみ販売された稀少モデルのため、もう完全にプレミアがついています。
マグナ250の定番カスタム
バックレスト
定番中の定番が、このバックレスト。装着率は非常に高いです。
シーシーバー
でも個人的にはやっぱり、マグナ250にはシーシーバーをお願いしたいです。
見てください、この似合いっぷり!!車体とのバランスが絶妙です!
マグナ250の中古車相場
2024年6月現在、主要な中古車検索サイト(※)の、大体の相場です。
- 程度の良さそうなマグナ:40~50万円
- フェニックスモデル(2004)以降~:60万円~
大半が前期型ですが、やはり高い。想像以上に高いというのが正直なところです。人気車のため、待っても値段は下がってこないでしょう。走行距離の少ない良いマグナを見つけたら、決めてしまった方がいいかもしれませんね。
※BDSバイクセンサー、バイク王、BikeBros、goobike
マグナ250の主要スペック
マグナ250 | |
発売日 | 1994年6月 |
型式 | MC29 |
原動機型式 | MC15E |
エンジン | 水冷4スト2気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 249cc |
燃料供給方式 | キャブレター |
最高出力 | 27ps/10,000rpm |
最大トルク | 23N・m/7,500rpm |
燃料タンク容量 | 11L |
燃料消費率 | 34.0km/L(※1) |
全長×全幅×全高 | 2315mm×845mm×1055mm(※2) |
シート高 | 690mm |
タイヤサイズ | フロント:120/80-17 リア:150/80-15 |
(※1)後期型は36.0km/L
(※2)後期型は、2315mm×880mm×1065mm