ゼファー1100【1】 新設計の巨大空冷エンジンを搭載!その特長と歴史を解説!

ゼファーシリーズの集大成となったゼファー1100。新設計の巨大空冷エンジンを搭載したゼファー1100は、「空冷カワサキ」渾身の一台となりました。

初年度に5000台オーバーという記録的な登録台数を叩き出したゼファー1100。その特長と歴史を振返ります。

目次

ゼファー1100の特長

新設計の巨大空冷エンジン

ゼファー1100の一番の大きな特長といえば、新設計された巨大空冷エンジンです。ベースエンジンは、1983年発売の「ボイジャー」という大型ツアラー。水冷6気筒DOHC2バルブ、総排気量1286ccという大型エンジンを搭載していました。

出展:WEBオートバイ

このボイジャーの「水冷」エンジンを、ゼファー1100のために「空冷」に変更。クランクケースこそボイジャーベースですが、シリンダーから上は完全に新設計のエンジンとなりました。

ノッキング対策としてのツインプラグ、熱対策のための巨大オイルクーラー、きわめて剛性の高い足回りなど、すべてが、この新エンジンのために開発されました。

カワサキ最後の空冷、ゼファーシリーズの集大成となったゼファー1100は、まさにカワサキ渾身の一台、並々ならぬ決意や意気込みが伝わってくる車両となっています。

圧倒的な存在感

ゼファー1100の特長は、圧倒的な存在感・重量感にあります。フレームにギチギチに収まった巨大エンジンの効果が大きいですが、ゼファー750とはケタ違いの迫力です。写真でもずっしり感、どっしり感が伝わってきます。

実際に数値で比較してみると、車体サイズこそ大きく変わらないものの、ゼファー750より40kg以上重いことがわかります。

 ゼファー1100ゼファー750
全長(mm)21652105
全幅(mm)780770
全高(mm)11151095
シート高(mm)795780
ホイールベース(mm)14951450
乾燥重量(kg)243200
最高出力(ps)9368

ゼファー1100の歴史

ゼファー1100は、1992年の発売から2007年の最終モデルまで約15年間にわたり販売されました。2001年に排ガス規制対応、2003年に騒音規制対応が行われましたが、それ以外の変更はほぼありませんでした。ゼファー750同様、登場時からすでに、完成されたエンジン、完成されたスタイルだったといえます。

1992年3月 発売(A1)

ゼファー750から遅れること2年、1992年3月にゼファー1100はデビューとなりました。初年度の登録台数は5000台オーバー、記録的ともいえる数値を叩き出しました。

1999年2月 タイガーカラーが出現(A5)

1999年には、待ちに待ったタイガーカラーが登場します。Z1・Z2のイメージがそのまま重なったような仕上がりで、ものすごく似合っています。

ゼファー1100タイガーカラー

2001年12月 仕様変更(A7)

2001年には、排ガス規制に対応するための仕様変更が行われています。

  • KLEEN(排ガス浄化システム)搭載
  • K-TRIC(点火時期調整システム)搭載

KLEENは、排ガスを再燃焼させる「KCA」(Kawasaki Clean Air)と、サイレンサー内に設置された「パイプ触媒」の組み合わせにより、排ガス中の有害物質(一酸化炭素や炭化水素)を低減させるシステムです。

K-TRICは、キャブレター開度により点火時期を調整するシステムのことで、(加速時などの)急激な回転上昇を抑え、騒音を低減する役割があります。

排ガス規制に伴い、最高出力(93ps→91ps)や最大トルク(9.1kg-m→8.9kg-m)が低下し、若干のパワーダウンとなっています。

2003年3月 仕様変更(A8)

2003年には、騒音規制に対応するための仕様変更が行われています。再びのパワーダウン。

騒音規制に伴い、最高出力(91ps→86ps)や最大トルク(8.9kg-m→8.5kg-m)が低下しました。

2003年12月 仕様変更(A9)

  • エンジンカラーの変更
  • タンクエンブレムの変更

エンジンカラーがシルバー1色から、高級感のある黒×銀のツートンに変わりました。初代Z1と同じカラーリングで、ますますカッコよくなりました。

2004年12月 カラー変更(A10)

2004年12月にはゼファーシリーズ(400/750/1100)共通色となります。2005年にはイエローボールが出現。

2007年1月 最終モデル(A6SA)

2007年、ゼファー750と足並みをそろえる形で、最終モデルが販売されました。もちろん最後は定番の火の玉。サイドカバーのエンブレムにはZの代名詞ともいえる「DOUBLE OVER HEAD CAMSHAFT(DOHC)」が入りました。

ゼファー1100RSとは?

ゼファー1100RSとは、1996年~2002年にかけて販売されたスポークホイールのモデルです。もともとレトロ調のゼファーですが、スポークホイールを採用することで、よりZ1・Z2をイメージしたデザインになりました。

ゼファー750は、限定カラーで定番の火の玉カラーが用意されましたが、1100は無し(涙)。地味目なカラーリングのみで生産終了となりました。

ゼファー1100との違いはスポークホイールのみです(乾燥重量は約6kg増し)。

ゼファー1100の主要スペック

ゼファー1100の主要スペックです。エンジンは空冷4スト4気筒DOHC2バルブ、総排気量1062cc、最高出力は93psでした。ボディ全体のバランスをとるため、タイヤサイズはフロント18インチ、リア17インチで設定されました。

以下は、発売当初(1992年3月)の主要スペックです。その後の仕様変更に伴い、若干ですが値は変わっています。

 ゼファー1100
発売日1992年3月
発売当時価格849,000円
型式ZRT10A
原動機型式ZRT10AE
エンジン空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ
総排気量(内径×行程)1062cc(73.5mm×62.6mm)
最高出力93ps/8000rpm
最大トルク9.1kg-m/7000rpm
変速機5速リターン
全長×全幅×全高2165×780×1115mm
シート高795mm
ホイールベース1495mm
車両重量(乾燥)243kg
燃料タンク容量19L
タイヤサイズフロント:120/70-18 リア:160/70-17

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この記事を書いた人

バイク業界歴20年。三級二輪整備士。オークション会場でオートバイを見て歩くのが大好き。欲しいバイク第1位はモンキー125。ふかふかチェック柄のシートで旅に出る日を夢見ている。生業は中古パーツの販売。シート、マフラー、ドラレコが好き。実は仕入れに必死。

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