およそ10年にわたり、FRP製品の製作・販売を行っていました。
その中でも特に大物だった「ゼファー400 Z2タイプ外装セット」。総作成数は163セットでした。初代外装セットから最終の外装セットまで、その歴史を振り返りました。
初代外装セット
当方製作の、初代外装セットです(2010年3月撮影)。濃い目のグリーンメタリックに、黄×白のタイガーラインを入れています。ラインも塗装仕上げで、発色鮮やかです。
この後の外装セットは、すべてステッカー仕上げになります。
ゼファーカッコイイ!
Z2外装セットにショート管という、今でも大人気のゼファーカスタムです
初期外装セット
本格的に作成を始めたのは2014年頃。それから3~4年は、ラップ塗装メインで作成しています。
ラップ塗装って何?
ラップ塗装は、その名前のとおり、サランラップを使用した塗装です。塗料を吹き付けた直後に、ラップを貼り付けて剥がす特殊な塗装方法で、大理石のような、独特の模様を入れることができます。写真の赤の場合、シルバーの下地に、黒のラップ柄を入れ、赤を重ねて、クリアで仕上げています。
本当にこの頃はラップ塗装に燃えていました・・
なんで止めたの?
作成数が増えてくるにつれ、徐々に製品の仕上がりに満足できなくなってきます。ラップ塗装はキレイですが、どうしてもラップ柄の段差(デコボコ)が出てしまう。製品の表面をフラットにし、ラップの柄をクリアの奥に封じ込めるような塗装をしなければ、本当にキレイな仕上がりにはならないのだと気がつきました。
そこまで仕上げるには、もう、ものすごい工程数が必要で、時間もお金も必要ということで、ラップ塗装は封印となりました。
作成数はおよそ70セットでした
中期外装セット
ラップ塗装を封印後、一転して白ベースの外装セットになります。ガラも入らず、クリアも使わず、ただ白で塗るだけというシンプル仕上げ。簡単そうに見えますが、実は下地の完成度が求められるという、相当に難易度の高い外装セットでした。
下地のキズも隠せず、塗りムラも隠せないという苦行に、逆に火がついてしまったのもこの頃。どうしたらキレイに仕上げられるのか、試行錯誤しながら夢中で作っていました。
今見ても、白のツヤが素晴らしい!!
クリア使ってないんだもんね・・
この「白×カワサキロゴ」の作成数は約60セット。時期的には2018年~2020年頃です。
ヤフオクのID停止を食らったのもこの時代です・・
どういうこと??
カワサキロゴ使っちゃダメ、と川崎重工(株)から苦情が入った・・
夢中で作りすぎてて、本当に気がつかなかったのです
本当にすみませんでした・・
後期外装セット
130セットを超えたあたりから、外装セットが急にゴツくなります。「薄い、割れやすい」という苦情を受け、フチ周りや割れやすいところなどに、ひととおり補強を入れるようになりました。
特にテールカウルは、ガラスマット(#380)2層仕上げに更に補強が入るという、徹底的に強度を追求した仕上がりになっています。
おそらく従来品より2倍3倍頑丈になりました
カラー的には、黒メタリックにゴールドラインのものが主流となります。
当然、カワサキロゴは姿を消しました
塗装中の写真が残っていたので、載せておきます
この黒メタリック×ゴールドラインは、個人的にとても気に入っていて、最終の最終まで作っていたカラーです。
作成数はおよそ25~30セットです
最終外装セット
161セット目
黒メタリック×イエローラインのバージョンです。黒地に黄色がはっきりと映えるカッコイイ系です。
162セット目
長い外装セットの歴史の中で、唯一の真っ黒セットです。メタリックを使わず、黒の単色(ソリッドブラック)で仕上げています。
163セット目
最終の紺メタリック×イエローラインです。この紺メタリックも個人的に大好きなカラーで、実物は本当にキラキラ輝いてキレイです。
総評
自分で「総評」というのもおかしいですが、こうやって歴代の外装セットを並べてみると、本当に自分の原点であったと思います。眺めていると、もっともっと塗りたくなる、もっともっと作りたくなる、そういう気になります。
涼しくなったら、また作ろうかなあ・・
などとも思います。また機会があれば、よろしくお願いします。
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