車中泊やキャンプの際、積んでおくと便利なのがポータブル電源。スマホやノートパソコンの充電、電気ポットや電気毛布の使用など、良好な車内環境に大活躍してくれるアイテムです。
できればバッテリーを切らすことなく、常に使える状態にしておきたい。車の屋根にソーラーパネルがあればなあ。
実は私もまったく同じことを考えました。そして実際に、ルーフキャリアの設置、ソーラーパネルの設置、車検から構造変更まで自分で行ってみました。
その手順と結末を、詳細に解説しています。
シリーズ概要
実際の手順を、5つの記事に分けて紹介しています。
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【1】ルーフキャリア(当記事)
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【2】ソーラーパネル
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【3】取付と配線
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【4】車検と構造変更
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【5】1ナンバーのデメリット
ちなみに使用車両はライトエース、今回のケースでは「構造変更で1ナンバー」というクライマックスを迎えています。
やりすぎた感が満載です!
結論的には、そこまでする必要はありません。車検時には無理せず、(一時的に)ルーフキャリアとソーラーパネルを取り外すことをお勧めします。
それでもソーラーパネルを車の屋根に常設しようと思う方は、ある程度内容を理解した上で挑んでいただければと思います。
ソーラーパネルを車に取り付ける方法
まず最初に、車の屋根にソーラーパネルを取り付ける方法を考えました。方法は大きく3つ。
- フレキシブルのソーラーパネル(柔性)をマグネットで装着する
- ルーフキャリアを設置してから、ソーラーパネル(剛性)を固定する
- 業者に依頼して、専用ステーでソーラーパネル(剛性)を固定してもらう
フレキシブルのソーラーパネルをマグネットで装着する
車の屋根に固定する一番お手軽な方法です。車中泊ユーザーにはもはや定番(?)ともいえる方法で、具体的には、以下のようなパーツを使用します。
「フレキシブル」というのは柔軟性のあるソーラーパネルのことで、重量わずか2.3kg、この超軽量・超薄型のソーラーパネルをマグネットの磁力で取り付けてしまおうという大技です。
マグネットの形状がポイントで、セパレート式の上下2分割、台座がボルト状、上蓋がナット状にネジ切られています。ソーラーパネルは6箇所のハトメ穴(インレット)があいているので、マグネットの台座に通して上蓋で締めこむ方法です。
ものすごく簡単!
簡易でこの方法もアリかと一瞬考えましたが、やはり風であおられて飛ばされる危険が大きいのと、整備士仲間に見られた場合にモノスゴク気まずいため、即時却下となりました。
ルーフキャリアを設置してから、ソーラーパネル(剛性)を固定する
2番目が、今回選択した方法になります。使用するソーラーパネルは剛性タイプ、家の屋根などに据え置かれているタイプで、がっちりしたフレームが特長です。
実際に使用したソーラーパネルがこちら!
このがっちりしたソーラーパネルを、がっちりしたルーフキャリアにがっちりと固定することにしました。
安全第一!!
業者に依頼して専用ステーでルーフに固定する
専門の業者にお願いすれば、ルーフキャリアを使わずに、ショップブランド(自作)の専用ステーでソーラーパネルを固定してもらえます。見た目すっきり、スマートに作業は完了すると思いますが、それなりに費用がかかります。今回はDIYでの取り付けを前提としているので、考慮しませんでした。
ルーフキャリアを選ぶ
ここからは実際に必要なパーツを用意していきます。
ライトエース用のキャリアとして、専業メーカーで老舗の「タフレック(TUFREQ)」製をチョイスしました。安心の国産メーカーです。
ライトエース専用ルーフキャリアの種類
ライトエース専用のルーフキャリアには「棒状」「板状」の2種類があります。棒状がPL44、板状がHL44という品番になっています。
車種が同じでも、年式やグレードで形状が異なる場合があるので、購入前には直接メーカーに問い合わせるのが確実です。
板状ルーフキャリア(HL44)を選択した理由
板状をチョイスしたのも理由があります!
- 板状のためソーラーパネルを乗せやすい
- 板部がアルミ製のため、穴が開けやすい
- 普通のボルトナットで固定できるので簡単
- 頑丈でしっかりしている
板状で乗せやすく、アルミ製で加工が簡単、しかも頑丈という、まさにソーラーパネルをのせるための(?!)ルーフキャリアとなっています。
ヤフオクで中古品を探す
新品は4万円~とお高いので、得意のヤフオクで中古品を探します。見た目が気にならない方、ヤフオクの取引に不安のない方にはお勧めです。
6本足と8本足の2択
タフレックの板状キャリアには、6本足と8本足の2サイズがあります。両方同じ値段で出品されていたので、さんざん悩みましたが、最終的に8本足にしました。
決め手は拡張性で、「今後もう1枚くらいソーラーパネルを追加したくなるかも」「空いたスペースにボックスなどの荷物を載せたくなるかも」という妄想です。
6本足の方が、見た目コンパクトでスマート!!
ヤフオクで中古品を選ぶ重要ポイント
少し話が反れますが、中古品を間違いなく買うための「重要ポイント」を書いておきます。
- 出品者の評価が良いこと
- 写真枚数が多いこと
- 送料・配達方法が確実に明記されていること
- 年式・対応車両(取外し車両)が明記されていること
- 付属品が揃っていること
4.は特に重要です。「ライトエース」と記載があっても、年式やグレードにより適合しない場合があります。出品者に確認するか、商品の品番を確認してメーカーに直接問い合わせるか、どちらか必ず行うことをお勧めします。
5.も忘れがちです。ルーフキャリアは付属の専用金具がなければ取り付けできません。明記されていなかったり、写真に写っていなかったりする場合には、出品者に質問して確認します。
少しでも中古品の取引に不安のある方は、迷わず新品をお勧めします。この場合も、年式や品番は要確認です。
ルーフキャリアを引取る
今回購入したキャリアは、配送方法が「西濃運輸支店止め」で指定されていました。
実はモノスゴク引取りが不安・・
不安な理由はルーフキャリアのサイズ。このタフレック8本足は、ライトエースのルーフキャリアの中で特別大きく、メーカー公表のサイズでは荷室ギリギリ。積めるか積めないか、イチかバチかで取りに行く必要がありました。
「ライトエースのルーフキャリアは、ライトエースに積めるのか?」。
ここが勝負どころ、正念場となりました。
ライトエースに積める?積めない?
結論を書いてしまえば。
無理やりですが、積めます!
上の写真では、前席うしろの突っかえ棒を外して、前側いっぱいに押し込んでいます。それでも実際のところ、リアゲートは閉まりません。閉まっているように見えますが、キャリアがはみ出して、20cmくらい開いています。
リアゲートの裏側にロープを縛って、無理やり開かないように固定しています。いろいろなところに突起が当たるので、段ボールや毛布で養生しています。
なんかものすごい格闘の跡が見える・・
ライトエースでは取りに行かない方がよい?
今回は無理やり積んで、無理やり縛って帰ってきましたが、あまりお勧めできる方法ではありません。実際のところ、荷物の取り扱いに慣れていないと難しく、荷物がずれたり、ガラスを割ったり、固定不十分でゲートが開いてしまったりと、いろいろな問題が想定されます。
協力者を得て、脚立を持ち込み、その場でルーフに設置してしまう方法も考えられますが、これも大技すぎるでしょう。
ハイエースや積載車などの大きな車で取りに行きましょう!
ルーフキャリアの取付け
持って帰ってしまえば、あとは取り付けるだけです。2人で両側から行えば簡単ですが、意外に重量があります。ルーフキャリアを抱えて脚立に昇る際は注意してください。
車の屋根に乗せてしまえば、専用金具で簡単に固定できます(工具不要)。
そして次の記事へと進みます・・