車の屋根にソーラーパネルを設置すると車検は通るのか。
5回目の最終回では、車検を終え、1ナンバーとなったライトエースのその後を追います。
そもそも「1ナンバー」とは何なのか。「4ナンバー」のライトエースが「1ナンバー」になると、何が変わるのか。良いのか悪いのか、するべきか、するべきでないのか。この部分に焦点を当てて解説しています。
結論としては、「4ナンバー」から「1ナンバー」への構造変更は、割にデメリットが多いです。
シリーズ概要
実際の手順を、5つの記事に分けて紹介しています。
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【1】ルーフキャリア
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【2】ソーラーパネル
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【3】取付と配線
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【4】車検と構造変更
【実録】車の屋根にソーラーパネル、車検は通るの?【5】1ナンバーのデメリット(当記事)
やりすぎた感が満載です!
「1ナンバー」とは何か
用途と分類番号
まずは自動車のナンバーの話です
自動車のナンバーは、その用途により、「1~8」まで分類番号が振られています。「2」ならバス、「3」なら普通乗用車、「4」なら小型貨物車、「8」ならキャンピングカーと決まっています。
「1」は普通貨物車で、簡単にいえば「トラック」です。宅急便などに使われている大きなトラックが分かりやすいと思います。
「1ナンバー」の要件はいろいろありますが、そのひとつに「サイズ」があります。「長さ4.7メートル、幅1.7メートル、高さ2メートルを超える車両」に該当すれば、「普通貨物車=1ナンバー」となります。
マイライトエースは、ルーフキャリアの装着により、高さが2メートルを超えたので、「1ナンバー」となったのです。
「1ナンバー」のメリット・デメリット
「3ナンバー」から「1ナンバー」にするメリット・デメリット
少し話が反れますが、「3ナンバー」(普通乗用車)から「1ナンバー」(普通貨物車)に変更する人がいます。「3ナンバー」は自動車税や重量税が高いので、維持費節約のために、あえて「1ナンバー化」するのです。
実際には、構造変更のための改造費用、1年ごとの車検費用、割高な高速代などのデメリットが発生するため、思ったほどの節約にならなかったりしますが・・
でも、やる人はいます。
「4ナンバー」から「1ナンバー」にする2つのメリット
「4ナンバー」(小型貨物車)から「1ナンバー」(普通貨物車)に変更すると、どうなるのでしょう?
これは今回のライトエースに該当するものです。まずはメリットです。
- ソーラーパネルなどの装備を取り外す必要がない
- (自動車税が安くなる)
装備を取り外す必要がない点は、、「1ナンバー」にする大きなメリットです。
ルーフキャリアも、ソーラーパネルも、荷室のベッドも、今後一切、取り外す必要がありません。現在の状態のまま、堂々と車検のラインに入れますし、ソーラーパネルの配置や枚数を変更しても問題ありません。
「2」の自動車税については、5月にならないとはっきりしませんが、乗車定員が2名になったので、おそらく3000円くらい安くなります。ただこれは結果論で、乗車定員が5名のままだと、まず間違いなく値上がりします。
「4ナンバー」から「1ナンバー」にする4つのデメリット
この4ナンバーから1ナンバーにした場合のデメリットが、皆さんの一番知りたいところではないでしょうか。
実はこんなにデメリットがある!!
- 自賠責保険が高くなる
- 任意保険が高くなる
- 任意保険の継続ができない
- 高速料金が高くなる
自賠責保険が高くなる
小型貨物の「4ナンバー」から、普通貨物の「1ナンバー」へと変更になるため、自賠責保険が高くなります。
自賠責保険の更新は、ユーザー車検前に朝イチで済ませてしまいますが、車検時にナンバー変更となったため、追加で約4000円増になりました。
任意保険が高くなる
ナンバーが変更となった場合、加入している保険会社に「告知」する義務があります。告知しないと、事故の際に保険が受けられなくなります。
マイライトエースは、次回更新の12月までの保険料として(約10カ月)、約2000円が追加料金として発生しました。
任意保険の継続ができない
保険会社によりますが、保険料の安い「ダイレクト型保険」では、加入や継続を断られる場合があります。
高速料金が高くなる
「1ナンバー」は中型車扱いとなるため、「約2割」高速料金が高くなります。
ライトエースは基本的に遅いため(スピードが出ない)、自分的に高速は走りませんが、日常的に高速を使う人には致命的だと思います。
任意保険が継続できない問題
マイライトエースの致命的な問題としては、「任意保険の継続ができない」ことが挙げられます。
加入中の「三井ダイレクト損保」では、「普通貨物で、最大積載量が500kgを超えるもの」は保険の対象外なのです。12月の契約更新日までは保証してもらえますが、それ以降の継続はできないのです。
実は17年間も愛用している三井ダイレクト損保。今回の1ナンバー事件で、他の保険会社に乗り換えるか、4ナンバーに戻して継続するかの二択になりました。
デメリットの多い「1ナンバー」
まとめてしまうと、「4ナンバー」から「1ナンバー」にすると、諸費用が上がり、高速料金も上がり、加入している保険会社によっては、継続を断られることになります。
ソーラーパネルの利便性をとるか、クルマの維持費をとるかという話になりますが、個人的には、百歩譲って「1ナンバー」のメリットは感じられません。
結論
「車の屋根にソーラーパネルを設置すると、車検はどうなるのか?」
自分的には「構造変更してまで車検を通す必要はない」という結論です。
車検時はルーフキャリアとソーラーパネルを外そう!
以上、5回にわたり、ルーフキャリア、ソーラーパネル、車検、構造変更について解説しました。
DIYはもちろん、ショップに作業を依頼する場合にも、予備知識として知っておけば、失敗が少ないと思います。車の屋根にソーラーパネルを設置予定の方は、ぜひ参考にしてください!