12月初旬、横川から熊ノ平まで「アプトの道」を歩いた。写真を撮りながら、ゆっくり歩いて往復4時間弱。平日で人は少なく、途中5~6人とすれ違っただけだ。静かだった。ただただ、静かだった。誰も通らないアプトの道は、贅沢としか言いようがなかった。いつまでもいつまでも歩いていたいと、そう思った。
横川駅おぎのや「峠の釜めし」
高崎から国道18号をまっすぐ西へ向かう。横川駅まで小一時間、定番の峠の釜めし「おぎのや」に寄った。釜めしを食べてから「アプトの道」に入るのが通例?のようだ。釜めしは具沢山で楽しい。以前いつ食べたろうと思い返すと、もう20年以上は経つ。そうそう、あんずが入っているんだよなと懐かしく感じた。
碓氷峠「アプトの道」始点
「おぎのや」から「鉄道文化むら」は目と鼻の先。今回は「鉄道文化むら」の正門前に車を停めたが、その隣、横川駅側にも広い駐車スペースがある。どちらでも構わないかと思う。
「鉄道文化むら」のすぐ脇がアプトの道の起点になっている。すぐ脇の看板がわかりやすい。峠の湯、碓氷湖が休憩ポイントだ。
いよいよアプトの道へ
アプトの道を入ると、最初に大きくカーブするが、あとは丸山変電所まで一直線だ。「丸山ストレート」という。丸山変電所を過ぎたあたりで、急に勾配がきつくなるので、機関車はここで一気に加速したらしい。
1キロ以上続くこの「丸山ストレート」、本当に歩いた方がいい。天気が良く、人がいなければ更に良い。「峠の湯」からアプトの道に入るのが定番のようだが、本当にもったいない。ここは、ぜひ歩いてください。
丸山変電所
碓氷線(横川~軽井沢間)は、明治45年(1912)に電化された。横川火力発電所が送られてきた交流6600ボルトを、この変電所で直流650ボルトに変換し、サードレール(第三軌条)から電気機関車のモーターに供給した。そのための変圧器や変流器が置かれていたのが「機械室」で、軽井沢側の建物となる。もう一棟は「蓄電池室」で、蓄電池が312個並べられていた。電車が上り勾配に差しかかる時には、蓄電池から電気を供給し、下り勾配の際は蓄電池に充電した。当時、画期的なシステムだったという。
この丸山発電所は、完全な廃墟だった。窓が割れ、屋根が落ち、室内はカビだらけで、見るも無残な姿だった。2002年の復元工事で、レンガ壁の補強や屋根の修復が行われ、当時の姿を取り戻した。重厚感のある立派な建物だ。
鉄道文化むらに展示されている「回転変流器」。高さ1.5メートルくらいの大きな機械だ。熊本市の変電所で平成19年まで使われていたもので、日本初の電化を記念して「丸山変電所」に贈られたという。
アプトの道の休憩地点「峠の湯」へ
丸山変電所から更に10分くらい歩くと、最初の休憩ポイント「峠の湯」に到着する。まずは「めがね橋」を目指す。標識には2.1キロ40分と書かれている。
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