碓氷峠「アプトの道」。横川を出発して、およそ6kmの道のりを「熊ノ平」まで上がってきた。引き返すのは惜しいが、戻ることにしよう。また来ればよい。いつでも来られる。帰りは下り坂、碓氷峠の急勾配が幸いして、足取りは軽い。
第10号トンネル
3つ並んだ穴のうち、真ん中が旧線第10号トンネル、帰り道となる。
第9号トンネル
人が上がってきた。すれ違うのは、ひとりきりの旅人ばかりだ。ゆっくり、静かにトンネルを感じるのだろう。
人が写り込むだけで、迫力が違う。
第8号トンネル
第9号と第8号の間には、大きな橋がかかっている。「めがね橋」に次ぐ大きさの「碓氷第六橋梁」だ。姿は写っていないが、高さ17メートルのスマートなアーチ。国道18号から良く見えるという。
第7号トンネル
第7号トンネルは、笠石のみのレンガ積みだ。少々味気ない。
第6号トンネル
第6号トンネルは、横川側も、軽井沢側も、切石積みで豪華だ。碓氷峠に限らず、国道から見えるトンネルは坑門(ポータル)を飾り立てたという。位置的によく見えるのかもしれない。車で往復してみたいが、厳冬の折り、峠道は怖い。春を待った方が良いだろうか。
トンネルは大きく曲がり、下へ落ちていく。
第5号トンネル
めがね橋まで戻ってきた。レンガ巻きの切石積み、ゴージャスな作りだ。アーチにキーストーンが埋め込まれているが、のっぺらぼうだ。山の急斜面がよくわかる。
第4号トンネル
総レンガ。やはりアーチの両脇に壁柱(ピラスター)が入ると立派だ。一気に重厚感が出る。真っ黒にすすけている。
第3号トンネル
残念ながら、写真がなかった。撮らずに通過しようだ。無念。
第2号トンネル
厚みがあり、どっしりと立派だ。総レンガ。
第1号から第2号、第2号から第3号までは、そこそこ距離があり、山並みを楽しむことができる。それ以外はトンネルの中で、緊張感が続く。
第1号トンネル
第1号トンネルまで戻ってきた。こうして見てくると、第1号から第6号までは重厚感抜群で、気品すら漂う。第7トンネル以降は、あからさまにシンプルな形状になり、竣工を急いだようにも見える。ただ、どのトンネルも表情豊かで、味があり、迫力がある。
レンガは煤に汚れ、火に焼けた。何十トンもある鉄の機関車が、長い尾を引き、轟音とともに走り抜けた。その光景が見える気がした。トンネルは力強く、美しかった。またすぐ、会いに来ようと思う。
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