工女が眠る「龍光寺」

龍光寺は、富岡製糸場ゆかりの寺だ。若くして命を落とした工女たちや、韮塚直次郎(にらづか・なおじろう)の墓がある。山門の彫刻や境内の大イチョウも素晴らしく、一度は訪れておきたい場所だ。

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龍光寺の山門

山門には縦横無尽に彫刻が施されている。クジャクや鳳凰などどれも見事だが、深彫りされた龍は圧巻だ。躍動感にあふれ、今にも動き出しそうだ。これほどの仕上がりなのに、何も情報がなく、時代も作者も不明なようだ。

龍光寺の山門
龍光寺の山門

龍光寺の大イチョウ(天然記念物)

龍光寺。大イチョウが立派だ。

イチョウの大木も立派だ。樹高25メートル、根回り9.5メートル、樹齢は380年。なんといっても姿かたちが美しい。堂々と天に向かって背を伸ばす。とても若々しく見える樹だ。

富岡製糸場工女等の墓

龍光寺本殿の奥が墓地となる。「明治6年から明治34年の間に60人の工女が亡くなった」とされる。工女たちの墓は約30基、大変古いもので傷みや変色はひどく、全体が苔に覆われて墓碑銘もはっきり読み取れない。

龍光寺、工女たちの墓

韮塚直次郎の墓

韮塚直次郎は、なかなか富岡製糸場の表舞台に出てこないが、実際には相当に貢献していた人物だ。富岡製糸場建設時には、瓦やレンガの焼成にあたった。レンガの製造技術は当時まだ確立されておらず、ブリュナの指導のもと、粘土を探し、釜を作り、遂には必要なすべてのレンガを焼き上げた。その数50万枚とも100万枚ともいわれている。

創業後は賄い方として働く一方、富岡製糸場正門前に韮塚製糸場を設け、経営にあたった。妻ミネの出身地だった滋賀県から大勢工女を呼び寄せ、富岡製糸場に入場させもした。ポールブリュナや尾高純忠などのビッグネームの前で影が薄いが、直次郎の働きなしに富岡製糸場は存在しなかったといえるほど、その貢献は大きいと思う。

龍光寺。韮塚直次郎の墓。

富岡製糸場正門前の韮塚製糸場。中は整備されているが、当時の床下の様子などが見られる。富岡製糸場のチケット売り場にもなっている。

韮塚製糸場

龍光寺の場所

富岡製糸場の北側に位置します。製糸場から徒歩約10分です。

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この記事を書いた人

ゼファー400外装セットやNSRのフロントフェンダーなど、自作FRP製品を600個以上販売。現在FRP活動は休止しており、ヤフオクで中古バイクパーツをメインに扱う。業界歴20年。三級二輪整備士。

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