「日本三大下り宮」一之宮貫前神社

富岡製糸場から車で10分ほどのところに、「一之宮貫前神社(ぬきさきじんじゃ)」がある。「一之宮」は神社の社格(等級)のことで、国(県)ごとに、最も格式が高い神社に付与された。貫前神社が群馬県一の名社であることを表している。

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貫前神社の由来

群馬県富岡市、一之宮貫前神社
群馬県富岡市、一之宮貫前神社

貫前神社は西暦531年の創建で、すでに1500年の歴史がある。現在の社殿(本殿・拝殿・楼門)は1635年(寛永12年)に徳川家光が建立したとされ、真っ赤な社殿、極彩色の装飾が印象的だ。葺替えや塗替えなど数度にわたる修復工事により、現在の豪奢な外観を保っている。

日本三大下り宮

群馬県富岡市、一之宮貫前神社
群馬県富岡市、一之宮貫前神社

貫前神社の一番の特長は「下り宮(くだりみや)」で、表門よりも社殿が低い位置にある。階段を下りていく「下り宮」は、日本国内でも大変珍しい形式で、熊本の「草部吉見神社(くさかべよしみじんじゃ)」、宮崎の「鵜戸神宮」と合わせて「日本三大下り宮」とされる。

下り宮の理由ははっきりしていない。わざわざ「谷」に社殿を建てるのだから、その場所でなければならない決定的な理由があるはずだが、わからないようだ。

群馬県富岡市、一之宮貫前神社
下から見ると、かなりの急勾配であるのがわかる

探訪日記

貫前神社を訪れたのは、『富岡日記』が理由だ。著者の和田英(わだ・えい)は富岡製糸場の工女で、操業時の様子を生き生きと描くが、その中に貫前神社の名前が度々登場する。製糸の技術が上がるように、祖父の病が全快するようにと、英は貫前神社へお参りに来る。製糸場の仲間たちとお花見に来たこともあったようだ。英が幾度も訪れる神社を見てみたかった。

貫前神社で「あっ」と思ったのは、やはり表門をくぐった時だ。社殿を見下ろす急勾配の「下り階段」、その先の末広がりの屋根、真っ赤な楼門。貫前神社の代表的な写真は、実際に見ても壮観だった。

あいにくの土砂降りで、何もかもがずぶ濡れ、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根も、ぐっしょりと水を吸って重そうだった。それもまた思い出深い。

もうひとつ、貫前神社で御朱印帳を買った。表紙の刺しゅうが美しく、1ページ目の筆は勢いがあり、とてもカッコイイ。500円で売っている貼付用のものは、残念ながら地味で素っ気ない。これから御朱印帳を買う人には本当にお勧めできる。

貫前神社の「下り階段」は見応えがある。富岡製糸場に訪れた際は、ぜひとも立ち寄りたいスポットだ。

一之宮貫前神社の御朱印帳

一之宮貫前神社の基本情報

住所 群馬県富岡市一ノ宮1535
電話 0274-62-2009
公式URL http://nukisaki.or.jp/index.html

参考資料

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この記事を書いた人

ゼファー400外装セットやNSRのフロントフェンダーなど、自作FRP製品を600個以上販売。現在FRP活動は休止しており、ヤフオクで中古バイクパーツをメインに扱う。業界歴20年。三級二輪整備士。

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